現在サブスクビジネスは、あらゆる業種に普及し、多彩なサービスが提供されるようになっています。
そして、その中でも、急増しているのが飲食店が提供するサブスクサービスです。
その理由はいくつかありますが、最も大きな理由が、飲食店のそもそものビジネスモデルがリスクの大きいものであるからなのです。
そこで今回の記事では、飲食店がサブスクを選ぶ理由について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクビジネスは、動画や音楽などの配信サービスから注目を集め、現在では、幅広い分野に普及し、様々なサービスが提供されるようになっています。
その中でも、最近急速に増えてきているのが、飲食店のサブスクです。
この飲食店のサブスクとは、一般的なサブスクと同様に、定められた料金を支払い、一定の期間サービスを利用する権利を得ると言う仕組みです。
例えば、ラーメン店であれば、月額料金5000円を支払うことにより、1月の間ラーメンが食べ放題となる、そば店であれば、月額料金500円を支払うことにより、来店ごとにかき揚げが1つ無料となるサービスなど、飲食店がそれぞれの特徴を生かしたサービスを提供しているのです。
飲食店のサブスクが、なぜこれほど増えているのかと言うと、それは従来の飲食店の仕組みがリスクが大きいものであったからです。
ご存じの通り、飲食店と言うのは、自らお客様を集めに行くのではなく、お店を開けて準備をして、お客様が来店してくれるのを待っているのが一般的です。
そして、その日に、どのくらいお客様が来店してくれるかは、経験や勘などから推測するしかなかったのです。
そもそも、飲食店と言うのは、天候や曜日、新たに競合店舗ができる、イベントが開催されると言った様々な外的要因に売上が大きく左右されるビジネスです。
それゆえに、それらを検討したうえで経験や勘で来店客の予測をすることが多いのです。
しかし、推測はあくまでも推測であるため、それ程あてにはなりません。
そして、その推測が外れた場合、用意した食材が無駄になるだけでなく、人件費や店舗の運営に関わるコストが全て無駄になってしまうのです。
これは、大きな損失ではありますが、だからと言って、お客様が一人でも来店してくれる可能性がある限り、お店を閉めるわけにもいきません。
このジレンマに、長らく飲食店は苦しんできたのです。
また、飲食店とお客様の関係性がその都度でしかないことも、大きなリスクとなっていました。
お客様は、数ある飲食店の中から、その日に利用したいと思う飲食店を選び来店します。
リピートする場合であっても、その都度、利用したいと思ってもらわなくてはならず、継続して関係性を保つことが難しかったのです。
これは、つまり、お客様と飲食店は、来店してくれたその時限りのものであるということなのです。
お客様から選ばれなければ、利用してもらうことができず、お客様の情報を得る手段もないため、来店を促すようなアピールすることもできなかったのです。
また、飲食店には、常連と呼ばれる顧客が存在していることが多いですが、この顧客に関してでさえ、名前や住所などの個人情報を知らないことも多いのです。
このようなリスクのある中では、収益を安定させることは困難であり、そのためにこれらのリスクを低減できるサブスクビジネスに、多くの飲食店が関心を持ったのです。
サブスクビジネスは、基本的には、契約を交わし、月額や年額などの定額料金を支払うことにより、店側が提供するサービスを、定められた期間利用できると言う仕組みです。
これは、つまり、契約を交わすことにより、事前にその契約者数から翌月の収益が予測可能となると言うことです。
飲食店の場合、サブスクサービスだけを提供するわけではないですが、収益の半分程度を見込んでいる場合には、その収益は翌月に確実に入ることが約束されるわけです。
これは、これまでの飲食店の収益構造から考えると画期的なことです。
また、契約を交わすことで、これまで知り得なかった、お客様の個人情報などのデータが、必然的に入手できるようになります。
このデータにより、店舗側からお客様へアプローチをすることも可能となり、継続的な関係性を構築することができるようになるのです。
さらに、飲食店がサブスクを提供した場合、新しいお客様だけでなく、既存のお客様も、来店の頻度が増えることが期待できます。
サブスクは、1か月の契約が一般的であり、飲食店の場合、1か月間の飲み放題、食べ放題などのお得なサービスを利用できます。
そのため、契約したお客様は、よりお得になるようにと足繁くそのお店に通うようになるのです。
現在は、数多くの様々な飲食店が、その店独自のサブスクサービスを提供し、注目を集めています。
この流れは、今後も続く予想がされており、さらに多くの飲食サブスクが誕生していくものと思われます。
これ程飲食店のサブスク化が加速しているのは、今回説明したように、飲食店が、もともと安定した収益を上げることが難しい、リスクの大きいビジネスであることが要因です。
それ故に、そのリスクを低減させるため、多くの飲食店がサブスクの導入を進めているのです。