サブスクリプションサービスは、ソフトウェアや動画、音楽などの配信サービスをきっかけとして、広く普及したビジネスモデルです。
デジタルを活用するオンラインビジネスがサブスクの特徴ではありますが、今ではそれだけに留まらず、オフラインにもサブスクは広がってきているのです。
そのオフラインとは、所謂実際に店舗を構えている飲食店や小売店、ホテルなどの店舗型ビジネスのことであり、これらの店舗が続々とサブスクビジネスを取り入れ始めているのです。
そこで今回の記事では、店舗型のサブスクで注意すべきポイントについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
サブスクサービスと言うと、動画や音楽などの配信サービスのような、定額使い放題の仕組みと言うイメージが強いですが、実際には、サブスクの仕組みはそれだけではなく、店舗型サブスクにも複数の仕組みがあります。
代表的な仕組みは、前述の定額使い放題の仕組みです。
これは、定められた料金を支払うことにより、一定の期間サービスが受け放題となるものです。
店舗型サブスクの場合、コーヒーショップでのコーヒーの飲み放題などがこれに該当し、コーヒーのような比較的単価の低い商品に適用されることが多いのが特徴です。
これは、単価の低い商品にサブスクを適用することで利用頻度を増やし、その利用時のクロスセルを期待して導入されることが多いのです。
例えば、コーヒーのサブスクサービスを利用する際に、ケーキなどのサービスに含まれない注文をしてくれることが期待できるのです。
また、店舗型サブスクならではの仕組みもあり、それが割引型の仕組みです。
これは、定められた料金を支払うことにより、割引サービスを受けることができる仕組みです。
この仕組みでは、多くは、サービスを受けることにできる商品が限定されているか、もしくは、購入金額によってサービスを受けることができると言った条件が設けられています。
その場で料金を支払うことが可能となる店舗型ならではの仕組みであり、単価の高い商品に適用できるため、前述の定額使い放題の仕組みよりも、導入しやすい仕組みとなっています。
さらに、店舗型サブスクでは、デポジット型の仕組みも増えてきています。
これは、事前にサービスを自由に利用できるサービス券を発行する仕組みです。
良くあるクーポン券などに近い仕組みですが、サブスクとして取り入れることで、継続して利用してくれることが期待できるのです。
これらから分かるように、店舗型のサブスクには、オンライン上のサブスクとは異なる特徴があります。
これが、サブスクサービスの定額料金とは別に、その場で利用してくれることを期待した仕組みとなっていると言うことです。
これは、実店舗で直接サービスを提供する店舗型サブスクだからこそ可能となる仕組みであり、オンライン上のサブスクよりも自由にサブスクビジネスを取り入れることができるのです。
昨今のコロナ禍において、多くの消費者が外出を自粛したことから、店舗型のビジネスは業種に関わらず軒並み大打撃を受けています。
そのため、多くの店舗が新しいビジネスを模索し、店舗型のサブスクが高い注目を集めているのです。
しかし、ただサブスクを導入すれば良いと言うわけではありません。
先ほども述べたように、サブスク導入には利用頻度が増える、クロスセルが期待できると言ったメリットも多くありますが、その一方で、デメリットも多くあるのです。
例えば、とある飲食店が食べ放題型のサブスクを導入したケースでは、サブスクサービスによって新規の顧客を大幅に増やすことができましたが、利用者が急激に増えたために、既存の顧客が利用しづらくなり、離れてしまったと言う事例があります。
これは、飲食店がサブスクを導入した場合に、良く起こる事例です。
新規の顧客を獲得したいがために、多くの店舗が既存の顧客のことを考えず、お得さだけを追求したサービスを提供したのです。
これによりほとんどのサービスが、結果的に、サブスクサービスの提供を止める、もしくは内容を変更するなど、改善を余儀なくされています。
飲食店などの店舗型ビジネスでは、以前より利用してくれている既存の顧客は最も大切にしなければならないお客様です。
いくら新しい顧客を集めたいからと言っても、これまで利用してくれていた顧客を蔑ろにしては、そのサービスが成功することはないのです。
店舗型ビジネスにおいて、サブスクを取り入れるのであれば、まず、既存の顧客が満足する内容であることが重要となるのです。
サブスクビジネスは、現在では、従来のオンラインビジネスではとどまらず、オフラインの店舗型ビジネスにまで進出しています。
しかし、今回説明したように、ただサブスクを導入するだけで、成功できるわけではないのです。
店舗型サブスクには、オンラインにはないメリットがありますが、同じようにオンラインにはないデメリットもあるのです。
店舗型ビジネスにおいてサブスクを導入するのであれば、その点に留意することが必要となるのです。