便利じゃないサブスクは成功できない?!

サブスクリプションサービスは、近年高い注目を集め、市場を拡大し続けています。

新たなサービスが、日々続々と誕生していますが、その一方で、早々と市場から撤退するケースも増えているのです

これだけ多くのサービスが存在している状況では、淘汰されるサービスが増えるのも仕方のないことではありますが、中には、価格の安さだけにこだわり、失敗するケースも多いのです。

サブスクは、お得さが売りではありますが、それだけでは成功することはできないのです。

そこで今回の記事では、サブスクに求められる便利さについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクが急成長した理由

サブスクリプション市場は、数年の間に1兆円の規模にまで達するほどの成長を遂げています。

ソフトウェアや音楽、動画配信サービスをきっかけとして、広く普及し、今では家電や家具、ファッション、飲食、宿泊、住宅など、消費者の生活に関わるありとあらゆる業種に広がりを見せています

サブスクがこれほど成長することができたのは、消費者のニーズの変化に上手く合致したからと言えます。

現代の消費者は、これまでほど消費に積極的ではなく、モノを買うことを控える傾向にあります。

これには、経済的な問題など理由はいくつかありますが、最も大きいのが消費者それぞれが個々の嗜好を重んじるようになったことです。

消費者は、それぞれに異なる嗜好があり、興味を惹かれることも違います。

それにもかかわらず、従来では、大多数の消費者の嗜好が優先され、個々の嗜好は無視されていたのです。

この状況に、消費者の多くは疲弊し、消費活動を行わなくなっていったのです。

そして、徐々にモノは売れなくなり、企業やメーカーはどうしたら売れるのかを模索し始めたのです。

そこに台頭してきたのがサブスクリプションビジネスです。モノを買うのではなく、モノを必要な時に利用することに、消費者のライフスタイルは大きく変化したのです。

この流れを受けて、市場には、サブスクサービスがいくつも誕生し始めます。

そして、市場はかつてないほど急激に拡大し、現在類似サービスが乱立する状況となっているのです。

しかし、いくら消費者のニーズとサブスクビジネスが上手く合致したからといって、全てのサブスクが成功できるわけはありません。

事業を収益化することができずに、苦戦するサービスや早々と撤退するサービスが増えているのです。

なぜ失敗するサブスクが多いのか?

これらのサブスクサービスが、失敗する要因はいくつかか挙げられますが、中でも大きいのが低価格であることに捉われていることです。

サブスクは、従来よりもお得なサービスとしてメディアなどで取り上げられることが多く、そのために価格の安さばかりを強く訴求するサービスが多いのです。

しかし、現代の消費者は、先ほど述べたように、必要な時に必要なモノを利用したいと考えるようになっているのです。

その消費者が、価格の安さだけでサービスを選ぶことはありません。

消費者は、まず、そのサービスが自身に必要かどうかを考えます。

そのサービスを利用することで自身の生活にどのような利点があるかを考えるのです。

それから、そのサービスが利便性の高いものであるかを考えます。

自身が使いやすいサービスであるかどうかを確認するのです。

そして、そのサービスに価格が見合っているかを考えるのです。

つまり、消費者にとって価格の安さはそれほど問題ではないのです。

そのサービスが自身にとって便利で、有益なものであるか、そして価格設定がそのサービスに見合っているかが重要と考えるのです。

それにも関わらず、価格の安さばかりに捉われていては、成功できるわけがないのです。

さらに、価格の安さに捉われているサービスのほとんどは、利便性が低いのです。

この利便性とは利用する消費者が使いやすいサービスであるかどうかということです。

利便性の低いサービスでは、一旦は利用したとしても継続して利用してくれる可能性は低くなります。

例えば、ランチのサービスを提供する飲食サブスクは、価格もワンコインと買いやすく設定、さらに事前予約制を導入し、行列によるタイムロスを回避、そして、企業のランチタイムに利用しやすいように、都心に提携店を増やすなど、利用者の利便性を第一に考えることで、事業を拡大しています。

この例の場合、価格をワンコインにしただけでは、利用者の利便性は低く、利用するメリットがないに等しいのです。

まとめ

サブスクは、お得なサービスと考えられているようですが、価格が安いことだけでは消費者を取り込むことはできないのです。

もちろん、価格が安いことが悪いわけではありません。

価格の安さにひかれて、一旦は利用者を集めることもできるかもしれませんが、サービスの質が悪ければ、すぐに利用者は離れてしまいます。

これだけ、サブスクサービスが乱立している中では、価格の安さだけで、利用者を引き止めることはできないのです。

そして、サブスクは周知の通り、継続して利用してもらわなければ、収益を上げることができないビジネスです。

長く継続して利用してもらうことが必要であり、すぐに解約されてしまっては、事業として成り立たないのです。

そのため、多くのサブスクは、解約を防ごうと、サービスの質や利便性を高めることに注力しているのです。

このサブスクの基本的なことが理解できなければ、サブスクサービスとして長く続くことは考えられないのです。