企業と顧客双方にメリットをもたらす、サブスクリプションビジネスが今急激に広がっています。
サブスクリプションビジネスは、もともと雑誌の定期購読を意味する言葉ではありますが、近年、音楽や動画などのデジタルコンテンツで定額課金で利用し放題のサブスクリプションサービスが非常に人気になり、サブスクリプションビジネスの認知度が一気に高まりました。
サブスクリプションビジネスの特徴は、所有から利用へと価値観の変化に見合ったサービスであり、頻繁に利用したいと思っている顧客にとっては、安く何度でも利用できるサービスであり、ロイヤルティを高め、継続的に利用してもらいたい企業にとっても、非常に望ましいサービスということでしょう。
サブスクリプションビジネスの台頭には、大量生産や大量消費が終焉を迎え、スマートフォン保有者が多くなった現代社会において、顧客の消費傾向が多様化していることがあるでしょう。
サブスクリプション市場で生き残るためには、自社ターゲット顧客1人1人の趣味嗜好、傾向をより理解し、満足させることができる商品とサービスを提供しなければなりません。
だからこそ、サブスクリプションビジネスでは、ターゲットマーケティングが非常に重要になるのです。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスでターゲットマーケティングを成功させるコツについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
ターゲットマーケティングに関する知識をつけたい、と思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
ターゲットマーケティングとは、自社商品やサービスのターゲット層に集中して販売促進活動を行うことを言います。
自社の市場をセグメンテーションし、適切なターゲットを選定し、そのターゲットの趣味嗜好、興味や関心、行動を深く理解し、どのようにすれば顧客ニーズに合った商品やサービスを販売することができるか、ということを決めていきます。
・STP分析にてターゲットを絞る
そもそもマーケティング戦略とは、Segmentation、Targeting、Positioninngの頭文字を取ったSTP分析のステップを踏みます。
このSTP分析は、近代マーケティングの父とも称される、フィリップ・コトラーが提唱した、基本的なマーケティング戦略のフレームワークとして考えられています。
Segmentation(セグメンテーション)は、顧客のニーズや性質によっていくつかのグループに分け、その市場の特徴を大きく把握します。
Targeting(ターゲティング)は、上記でセグメンテーションをしたグループからどのグループにターゲットを絞るか、ということを定めることを意味しています。
もし競合他社が複数いる場合であれば、具体的にどの顧客をターゲットとして絞りこむか、ということは非常に重要であり、自社にとって最も魅力的なグループを見つけなければなりません。
そしてPositioninng(ポジショニング)は、自社の強みを活かすことができる市場を確立させることです。
差別化の方針を決める際の最も有効な方法は、縦軸と横軸を設定し、競合他社との違いをマッピングすることでしょう。
・4Pを設定する
STP分析を行った後は、企業の利益よりも顧客への提供価値を念頭に置いた4Pを落とし込んでいきましょう。
4Pはマーケティングにおけるフレームワークの一つであり、Product(商品)、Price(価格)、Place(流通チャネル)、Promotion(販売促進活動)の頭文字を取った言葉です。
具体的な施策の立案を4Pで定めていくものであり、この際に何よりも忘れてはいけないことが、顧客への提供価値を念頭に置くことです。
マーケティング活動の重要な目的は、顧客と長期に渡り良好な関係を構築することですので、一過性の商品やサービスを販売することによる利益とは考えません。
ターゲット顧客が価値を感じるための重要な考え方なのです。
・市場を再定義する
STP分析で市場を定義したのですが、サブスクリプションビジネスとして、長期的な成長戦略を考案するためには、一つの市場で成功すれば、それで終わり、というわけではなく、ターゲットマーケティングは市場を再定義する姿勢が求められているのです。
・価値のある情報を取得する
従来までとは異なり、顧客はその商品やサービスから得られる体験や感情を重視するようになっていますので、顧客インサイトを捉えるマーケティング活動が重要になっているのです。
顧客インサイトは、顧客自身も気が付いていないニーズでありますので、企業がインタビューやエスノグラフィーを行い、積極的に理解しにいかなければなりません。
このようなマーケティングリサーチが今、非常に重要になるのです。
以上、サブスクリプションビジネスでターゲットマーケティングを成功させるコツについて、詳しくお話させていただきました。
サブスクリプションビジネスでターゲットマーケティングを行うことで、顧客ニーズにも柔軟に対応することができますし、競合との優位性を構築することができますので、ぜひ活用すべき手段であると考えられるでしょう。
サブスクリプションビジネスをより効率的に成長させたい、と思われている方は、ぜひこの記事を参考になさってくださいね。